僕は、出川風に「かんべんしてくださいよ~、おれが何したっつーんすか」と出川風に言うと、「あいかわらずにてねーな、もうお笑いやめろ」といわれたので、お笑い?と思ったが、また蹴られそうなので黙っていると、「お前、あたしの名前忘れただろう」と突然いわれて、もう帰りたくなった。恐る恐る「もう、帰っていいっすか?」と勇気をふりしぼっていったら、「じゃあ、なんか面白いこと言ったら帰してやる」といったので、僕は軽くフラッシュバックをくらって鬱ぎみになっていると、ふとももをヒールでふまれた。ここまでくると逆にテンションがあがってきて、空気が読めない若手のような感じで、「そんじゃ~、やっちゃおうかな~」とノープランで言ってしまった。「つまんなかったら、マジで殺すぞ」と、人殺しの目で念を押してきたので、僕はほんとにちょっと泣きながら、中尾あきらのまねをした。「うちのしのがね~、」とか「うまい酒は大吟醸」とか言ってみたりしたが、結局、サイフから札を全部取られて、二千円だけ渡されて、「じゃ、がんばれよ」と意味不明の捨て台詞をのこして、ライターをキーーンといわせながら、人ごみに消えて行きました・・・。。「だいじょうぶですか、起きてください、どーしたんですか」「う~~ん・・、頭が・・痛い、」「きっ、気づいた、だいじょうぶですか?ゴーンって音がして振り返ったら、あなたが倒れてたんです。」意識が戻ってきて、回りを見渡してみると、少し人だかりが出来ていて、「おっ、起きた」とか「よかったすね~」とか人の声が聞こえてきた。やっと我にかえって、思い出していると、どうやら凍った水溜りですべって後頭部をちょうどそこにあったマンホールにおもいっきりぶつけてしまったらしい。「イッタ~、あっ、もうだいじょうぶです。すいません、ありがとうございました。」と、介抱してくれた女の子に言うと、「よかった、なんかあたしのせいかと勝手に思って、けっこうあせっちゃって」「あ、だいじょうぶっす、勝手に転んだだけなんで、はい。って、えーー!」「えっ?どうしました?」最初は頭くらくらして焦点あってなかったから気が付かなかったけど、介抱してくれた女の子は俺が夢の中でカツアゲされたねーちゃんだった。髪型ちげーけど。僕は久しぶりに頭が狂いそうになったが、がんばって踏みとどまり、一言搾り出して言った、「つ、付き合ってください」~第一部・完~