甘い香りの裏側に【短編】








「あらぁ、帰っちゃうの〜?」








この魔の手から早く逃げよっと。









「えぇ、では!」












「木崎優奈。」













「なんですか!?というか、名前知ってるじゃないですか!!」












「勇気のない女は乙女にはなれないの。だから私は勇気のない女には手を貸さないようにしてるの。」












「はい?」













「流れでそのまま可愛くしてもらえると思ったら大間違いよ。」














「そんなの思ってません。私は内面で勝負したい「過去に付き合った3人は全員美人だったわよ。」












「え…?」














「内面で勝負?そんなの外見を自分の最上級にしてから言いなさい。」













「過去の方々が可愛かったことなんてわかりきってます!!」












「そう?じゃあ後輩に負けてもいいの?」












「誰のことですか…?」









「勇気がなくってチョコは下駄箱に入れるとか言ってたっけな。」















「っ……」















あの子だ。
















「あの子すごい可愛かったわぁ〜!相当雑誌とか読んで研究したのね 。そういう子私大好きだから手を貸してあげたわよ。」












「えっ……」















「今一番輝いてるのは…あの子じゃないのかしら?」













「なんなんで「負けるわよ、あんた。」
















「わっ、わかってますっ」












「わかってるの?」














「でもっ、勝てっこない…」












「内面的にはきっと中原はあなたがタイプ。でもね?つきあうのは恐らく「変わりたい!!!!」













「…なによ、大きな声出して」














「お願いします、レジェンド佐々木さま!私を変えてください!!私だって、だてに何年もあの人のこと好きだったわけじゃない!!」











「あーもう、本当にいちいち面倒な子だこと。」












「あの「黙ってて。膝上はこんくらい。いや、1ミリ上かな。」













「ミリ!?!?」












「こーゆーのはミリ単位で印象は随分変わるもんよ。それより静かに。」











「セーターはメークに合わせるとこの色。何よ、この黒のセーター!ボタン全部閉めるとか阿呆なの、あんた。首元はこのネックレスで〜。靴下はこんな感じ!んーっさすが私だわ!完璧!!」









髪も乱れを整えてもらった。











「さあ、行きなさい!あなたは今世界で一番可愛い子よ!」












「えぇ!?鏡は!?」














「移動しながら見なさい。さっ、連れて行って美彩子!」