ガラガラ
いつも通り、教室に入ると、いつもよりもあまーい香りがたちこめていた。
「おはよ~」
「おはよ、優奈、はいっ!」
渡されたのは箱。
「んー?チョコか!待ってね、はいっ」
そこらのみんなに配って回る。
もちろんみっちゃんにも。
うちのクラスの女子はこーゆーきまり。
一時間目が始まる前にみんな交換する。
昼休みや放課後にチョコ女子会をするクラスもあるみたいだけどうちのクラスはなんたってカップルが多いからこういうことになった。
「わっ、嬉しい!ゴディバ~♡」
料理ベタなみっちゃんは買ったものだけど。
今年は矢島くんにだけは作ってあげたみたい。不器用なラッピングがスクバから出ている。
「美彩子さまったら金持ち~♪」
みっちゃんは茶化すクラスメイトを軽く睨みつつ、私に「決行は放課後よ!頑張んなさいよー!」と言った。
「あれっ!?とーとー晴人さまに告白!?道理で可愛いわけだ。」
「本当にー!?ていうかこらっ、みっちゃんのせいでみんなにバレ「なになに!?晴人さまに告白!?あー、わかった!優奈ちんだ!」
「そうなの!?勇気あるぅー!ゆうな頑張れ!」
「あ、いや「でも優奈制服ダサくない!?」
「確かに!髪とメークは完璧なのに!」
「こい、優奈ー!」
「えっ!ちょ、離し「佐々木に頼もう!」
「そうだね!美彩子、レジェンド佐々木に連絡!行くよー!」
「やだ!れっ、レジェンド佐々木だけは嫌だぁぁぁぁぁぁ」