「さっ、行ってきな、優奈。」













「うっ、うん。」












「「「「頑張れ!!」」」」














「みんなありがとー!頑張ってきます!!」














走る走る走る。















「3年っ、はぁっはぁっ。2組っ。」











乱れた髪を整えつつ教室に…!!!!







人多い!!

入れない!!!












「先輩いないんですかぁ!!!?」









えっ!?
先輩いないの???












「ついたーっ。って!人だかりすごっ!」








後ろを見るとあの1年生。







負けたくない。



てか、負けられない。















きっとこの学校のどこかにいるはず。









中庭!!      カップルだけ
屋上!!      行けない
校庭!!      部活生
池!!       用務員さん
保健室!      入れない








「どこなのよ!!」





 





トボトボ歩く。


もう帰っちゃったのかな。



でも家とか知らないし、押しかけるのも悪いし。








「体育館…。こんな人がいっぱいいそうなとこいるわけないよね。」








意外にもシーンとしている体育館。








バスケ部やバレー部は休み?








「誰もいないなぁ。一応ここも見とくか。」







ガラガラと用具室を開ける。









「…誰もいない。あーあ、疲れちゃった。」








跳び箱の上にヒョイッと乗る。








ガタッ








「わぁっ!なっ、何!?」








座ってた隣の跳び箱ががたがた音を立てて一番上が動く。








「なっ…!!?」









そこにいたのは…









「晴人…先輩…」









「…っ。えと、君は?」









「私は2年「嘘。知ってるんだ。2年3組の木崎優奈さん。」








「えっ。なんで!?」









「可愛いって噂だよ?本物を間近で見たのは初めてだ。可愛いね、本当。」








「えっ、あっ、えと…そ、、そんなこと言われたこないですよっ!!これ、チョコなんで、受け取って下さい!!」








「いいの?ありがとー。」







 
「お口に合うかわから「うまっ。なに!?隠し味なんなの!!?」








「それにはりんごを…はちみつは一滴。」









「フルーティなボンボン♪おいし~!………えと、ごめんね、ビックリした?俺ね、ちょっとばかし女々しくて。それでその…」








「ハートエプロン…先輩ですよね。」









「あぁ、あれ、やっぱ君だったんだ〜。俺、ちょっとオカマっぽいかもだけどちゃんと普通に女の子が好きなんだ。こんなやつキモい?」








正直…
驚いたけど…











「いーえ!むしろ好きです。」









「えっ!?」










私はどんな形であれ彼のことが好き。













「ちょっとビックリしたけど。でも好きなんです!先輩のこと結構知ってるんですよ、私。」











「え…?」













「うちの高校の花壇は先輩がお世話してますよね?それに…2年前。痴漢から先輩に守ってもらったことがあるんです。」












「覚えて「わかってます、覚えてないですよね?」












「いや、覚えてるよ!!というかそっちも覚えたんだね。」












「え!?」














「あの頃から君に一目惚れだった。高校に入って君を見た時どれだけ俺の胸が高まったことか。でも俺はこんなだし。ひかれたくなかった」













「ひきません。私、好きなので!先輩の事!」














「変なカップルだね、俺ら」












「好きなんですから、変でもいいんです!」











「素直だね、そんな君が好きですよ。今日はいつもよりかわいいね。」












「もう、先輩のためにですよ!」













「うわっ、やばーっ。嬉しすぎる」













顔を真っ赤にした私達








そしてどちらかともなく…










「んっ…」









甘い甘いキスをした。