学校に着いた沙羅はイライラしていた。


──さっきの人。ムカつくくらい無愛想だったし、あっちがぶつかりそうになったんだから、あっちが謝って欲しいわ!

母親が見かねて声を掛ける。

「沙羅?何をイライラしてるの」

「だって!今日駅でぶつかりそうになった人。あの人同じブレザーだったよ!」

そう、同じブレザーだった。
と言うことは同じ高校で、しかも同じ高校生だということ。

あんな無愛想な人と高校の3年間を共にするなんて、考えられない。