「うざいから拗ねんな」


風斗に髪をくしゃっとされた。


「別に拗ねてないもん」


「あっそ」


…で、名前は呼んでくれないのね


別にいいけど…



「おい」


「なに?」


「数学のプリント手伝ってやったんだ。礼になんもないわけ?」


お礼なら言ったじゃん。


「明日、購買のパン買ってこい」


「え?」


「昼飯はパンにする」


待ってよ

購買のパンってかなり競争率高いよ?


「俺のパシリなんだから、ちゃんと買ってこいよ?んじゃ、また明日」



片手をひらひら振りながら風斗は帰っていった。


「…嘘でしょ?」



私は秋山風斗の“パシリ”