「音羽…?」 「…ちょっとだけ」 風斗を抱きしめる手が小さく震える。 「お前本当にどうした?」 「んーん…なんでもない」 私は彼から離れて背を向けた。 「…ごめん、帰る」 「は?」 「じゃあね」 「おい!音羽!」 風斗の声を無視して私は彼の家を飛び出した。