「……」


何度も何度も時計を見る。



おかしい。



約束の時間をとっくに過ぎてるのに風斗の姿が見当たらない。



「１０時集合だよね？」



もう２０分経ってるよ？


「寝坊…？」



携帯を取り出し風斗に電話をかける。



何度目かのコールで風斗が出た。



「音羽？ごめん、もーすぐ着くから待っといて！」


「え？あ、うん…」


「それじゃ！」



一方的に切れた電話。


…あんな慌てた声、初めて聞いた。