ドアの方から彼の声がした。 クラスメイトがざわつきだす。 「女子一人にこんな大勢でいじめて情けねーな」 「風斗!?ち、違うのこれはーー「言い訳とかいらねーから」 足音が近づいてくる。 「…音羽」 風斗に久々に呼ばれた、私の名前。 そっと顔を上げた。 風斗は優しく微笑んで私の腕を引っ張った。 「俺のパシリいじめてのいいの俺だけだから」 菊岡さんは泣きそうになりながら風斗を見る。 「お前がそんな奴だって思わなかった」 風斗は低い声で菊岡さんにそう言うと足を進めた。