「は?嘘つけ」

さっきまで前向いていた顔は、
いつの間にか私の方に向いていて。

1秒くらい、目が合った。

先にそらしたのは私。
だって長い間なんて見てらんない。

…胸が落ち着かなくて困るもん。

「だからー、なんもないって」

「ふぅん。そっか、話してくれないなら
もういいや」

聞くだけムダとわかったのか、
また授業に集中しだす咲哉。

なんだよ。
もうちょっと聞いてくれたってさ…。

さみしいじゃん。