「あ、もうすぐ休み時間終わるね。 じゃあ、僕先行くね。」 そう言って階段を降りようとしたとき、 「あの、」 驚いた。 またいつもみたく、 彼女のその 真っ直ぐな視線に見送られると思ったから。 「これ、お願い出来ませんか。」 そう言って、彼女は自分のポケットから 1枚の紙を取り出して、僕に向けた。 「作曲が得意だって聞いたので。」 ふいと違う方を見て、 少しぶっきら棒にそう言う彼女の手は 震えていた。