何処かで聞いたことのある名前だと思った。 そうだ。 この人は私の友人が言っていた、 あの王子様とやらだ。 「あの…さ、?」 「はい、」 彼は少し言いづらそうに苦笑いを零す。 「その、…自分で言うのも、あれ…だけど、 君、……えと、氷上さんも…その、」 もじもじとする彼に少し苛立つ。 「はっきりどうぞ。」 そう言うと、 また彼は同じような苦笑いをした。 「その、氷上さんも 僕がここにいるからこの学校に来た…の、?」 「は?」