「あ、もうすぐ休み時間終わるね。
じゃあ、僕先行くね。」
「あの、」
ん?と彼はいつものように微笑んだ。
「これ、お願い出来ませんか。」
そう言ってポケットから出したのは、
授業中に書いた曲の歌詞。
「作曲が得意だって聞いたので。」
「これ、僕が作曲してもいいの?」
驚いたように大きな瞳をもっと大きくさせた。
「貴方じゃないと嫌ですから。」
「ふふ、ありがとう。」
どき、と胸が高鳴る音が聞こえる。
いつもの困ったような笑顔じゃない、
本当に心から嬉しそうに笑った顔。
___その顔、私以外に見せないで下さい。

