「あれ?中川さんが…もとに戻った…」
「うっわ。ないわー」
黒縁メガネ、膝下スカート、いつも通りのボブヘアー。
やっぱりこうでなくちゃ、と朝からウキウキルンルンだった。
ザーーーーーーーと、梅雨が近づいているのか、雨が降っている。
「きゃああああああ!!!黒山くんおはよう!!!」
「らいくん!こっち向いてー!!!!!」
チャイムが鳴る直前、いつも通りの声援が鳴り響く。
スタスタと黄色い声援の持ち主がガタッと私の目の前に立ち塞がった。
教室中がシーーーンとなる。
うっ…なんなんだ…チラッと周りを伺ってしまう…
「メガネちゃん、やっぱりメガネちゃん似合うメガネメガネちゃん。」
こいつ、メガネメガネうるさいな。。
「ど、どうも…」
とりあえずお礼を言うことにした。
「褒めてないよ?」
悪魔の嫌らしい声が聞こえてカッチーーーーンと頭のゴングが鳴り響く。
けど…ここはグッとこらえて席に着く。
「ねえ、メガネちゃん。俺と踊ろうよ」
神様はどこまでも意地悪いです
