「っっ…ごめん」
咄嗟に出てしまった手
「ちょっときて」
らいはそう言うと私の右手を強引に掴んだ。
いやああああ!!!!
女子達の悲鳴声が聞こえてくる。
「ちょ!どこいくの?!」
「だまって」
いつもとは違う、少し低い声にビクッとする。
長い脚はあまり目立たない生徒がいない教室に向かっている。
バンッと扉を開けたらいは、教室に入った。
「本当…こんなとこ連れ出してなに!?」
「今日のキノコちゃんヘン」
らいはむすーっとしながら掴んでいた私の右手を離した。
「べ…別にへんじゃない」
「じゃあなんで避けるの?」
らいの甘い匂いがふぁっと鼻につく。
「避けるもなにも…そりゃ嫌だもの…」
ドキンドキンと苦しくなる。
