美香が部活の間、直樹は目立たぬ場所からその様子を見ていた。
勿論美香はその事に気付いていたが、表情や言動に現れることはなかった。
美香は壁際で他の部員達と台詞の確認をしていた。
「流石、看板役者」
誰にも聞こえない音量で直樹は呟いた。

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