咲季side




私は咲季。

みんなから親しまれて、クラスの中心ともいえる存在。

委員会は学級委員を。

生徒からはもちろん、先生からの信頼も厚い。

勉強ももちろん出来る。テストの順位は必ず毎回3位以内。

運動だってそれなりには出来る。

部活は美術部。

絵も上手い。

そして明るく、笑顔が絶えない子。





それが、私、高橋 咲季という存在。






ここまで『私』を完璧にしたんだ。

私は自分を殺して、自分すらも騙して完璧な私になった。


そのおかげか親からも褒められることも多い。







そう、何も不満はないの_________







私は完璧だから。






不満なんてなかったはずなのに________










「はぁ……最近つまらないな…」



そんなことを思うようになってしまった。





そう、つまらないの。

なんというか……刺激がない。


毎日、毎日同じことの繰り返し。

とても、つまらない。






























朝からこんなことを思ってしまったのは間違いだったのだろうか。



私は後で思い知ることになる。




このとても平凡で、同じことの繰り返しのつまらない毎日が、どれほど幸せだったのか________










まあ、当然今はそんなこと知ることもなく、私は完璧な仮面を付けて、今日も学校という戦場へ足を踏み入れた________。