ラスト・ラヴァー



そう


三谷はこうして毎日天城のボタンを治していた




「できればボタンがとれないようにしてほしいんだけどな。」


そんな三谷の言葉に


「次はうまく闘うから!」

笑顔で言う天城


「………そういう意味じゃないんだけどな……」




――――――――――


裁縫が得意な男と

ケンカの強い女



「三谷!パン買いに行こうよ!」


彼女は彼の手を引いて先頭を行く


「今日は何を買うの?」


手を引かれながらそう訊く彼




「ちょっ…待てよ!俺を置いていくなー!」


叫びながら走るもう一人の男




うるさいセミの鳴き声の中



彼らは校舎に入って行った。