ラスト・ラヴァー





「天城」


少し離れて立っていた彼女がこっちを向いた

その顔はまだほんのり赤かったが。


「天城、こっちおいで。」

手招きすると

彼女はすぐに三谷のもとに戻った。


「ほら、手出して。」


「うん。」


天城は拳を握って片手を突き出してきた