結局、予定していた映画にも間に合わず、
無言の花南を連れて車へ戻った。
怒ったときの花南は無言。
無言で「負」のオーラを発してくる。
ぎゃーぎゃー言うより性質が悪い。
まぁ、
こいつに慣れてる俺には何てことはない。
お互い黙ったまま、
俺は車を走らせ、
花南は来た時と同じように窓の外を見ていた。
その横顔を見ると、
さっきの脅えて潤んだ花南の瞳を思い出した。
口には出さないけど、
相当怖かったと思う。
女一人で三人に追いかけられたら
本当なら、
もっと甘えて、
慰めてもらってもいいはずなのに。
こいつは絶対にそんなことは望まない。
怖ければ怖いほど平気なフリをする。
他人に弱いところを見せようとはしない。

