久々の全力疾走、
さすがに息が切れる。
はぁっと息を吐くと辺りを見回した。
海の暗闇と同じくらい真っ暗な外は、
わずかな街灯の灯りだけで照らされていた。
少し高い場所にあるここから
見下ろすようにベンチの並ぶ波止場に目をやると、
100M先をこっちに向かってくる人影が見えた。
じっと目を凝らすと、
「花南っ!」
驚いて一瞬立ち止まった花南は、
俺に気づくと
小走りでこっちに向かってきた。
俺も階段を駆け下りて花南の元へ向かう。
近づくにつれ、
花南の脅えたような
不安に揺れる表情が見える。
心配した通り、
小走りで来た花南は
抱きつく勢いで懐に飛び込んできた。
こいつがこんなことをするのは、何かあったとしか思えない。

