「...もういい。そのままで。」 「えー?いいの?」 「ただし、 ベルトせずに乗るのは俺の車だけ。 他では危ないからちゃんとしろよ。」 こいつにベルトをさせるのは諦めた。 振り回されるのはいつものこと。 結局折れるのはいつも俺。 だけど花南はふいっとまた窓の外を向いてしまった。 「花南?」 「分かりました!」 「...分かったならいい。」 それからしばらく、花南が珍しく静かだった。 こんな花南との時間も悪くないなと思いながら車を走らせた。