「やっぱり実行する。私が喋った後に、『オマエ、浮気してたのか!?』って言って。そしたら、適当に私も言うからそれに合わせて。」

とだけ言ってあのイケメンの元へ歩いていく咲良さん。

「カ、カケル……。浮気してたの!?」

急に叫ぶ咲良さん。アイツ、カケルって言うんだ。
あ。次、俺のセリフだ。ダッシュで咲良さんの所へ向かった。そして

「さく…。ンンッ。サキ…オマエ、コイツと浮気してたのか!?」

「ご…ごめん……。ソウスケくん…。」

葵は焦った顔をしている。そりゃあそうだろうな。周りの人達は『浮気…?』『大変だな…。』などど、見物客がたくさん集まって来た。

「ま…待てよ!!オレ、コイツとは浮気してないよ!!」

カケルとか言う奴が皆に向かって叫ぶ。

「ねぇ…どーゆうこと!?コイツと“は”って何よ!?私は、この子と二股されてたの!?カケル君のバカ!!」

葵が泣きながら叫んでいる。大好きだった人に裏切られたんだしな。まぁ、そうなるわな。

「じゃあね。カケル。私、楽しかったよ。少しの間付き合えて。私にはソウスケくんっていう立派な彼氏ができたから。バイバイ。」

行こう。と言って俺の腕を引っ張って歩く咲良さん。つられて俺も歩く。

遠目で見ていると、葵がアイツに向かって何かを叫んで、走ってその場を去る。