ネコ科のあなたとイヌ科のわたし




「で、ここが自販機ねー…」



私は、とてつもなく、今むなしい。

え?なんでかって?


それはー…




「…」
「…ねえ、松浦くん、聞いてる?」
「…ん?…あぁ」


そして、私が歩き出すと後をついてくる。


というやりとりがさっきから何十回とあるからだよ!


(…松浦くん、なんだか不思議ちゃんだなあ。さっきから説明してる場所とか見てないし。)

私はなんとなくイライラしてました。
少しは話聞けよって思ってました。

だからです。


キレちゃいました…



「ねえ!覚える気ないでしょ?!さっきから別のところばっかり見てるじゃん!」

怒鳴った、ほどではないけどそう発すると、松浦くんはゆっくりとこっちを見る。

松浦くんの美しいお顔とご対面状態。


「…」
「…」



(…ちくしょーーー!やっぱめっちゃイケメンじゃーーー!!!)


私は、目をそらして、つい「ごめんなさい」と謝った。

「…なんで謝んの?」


彼のその意外な言葉に私は驚いた。
だって、怒鳴った?叫んだ?から、普通は逆ギレとか何かするものじゃない?

「…え?」

たぶんこの時の私は、すごく間抜けな顔をしてたと思う。

「だって、間違ったこと言ってないし。俺がちゃんと聞いてなかったのが悪かったわけだから」


(あ。聞いてなかったのね、やっぱり…汗)

私はふと思った。
この人は、誠実な人なのか、と。
だから、こんなことが言えるのか、と。




「…でも、まあ案内はもういいよ。校内歩いとけばなんとなく覚えるでしょ。分からなかったら聞けばいいんだし」


(あー。私の今の感情返して)


一瞬にして私は、1分前の自分に後悔した。