いよいよあっ君は見えなくなってしまって、本格的な迷子の完成だ。
前へ進もうにも人が前から流れてくるので全然思うように進めない。
(どうしよう、電話するべきかな)
でもこんな人ごみの中で、騒がしいなかで電話の音に気づくとは思いにくい。
「あっ君、どこ…」
思わず声にでてしまう。
「あっく…「ちい!!!!」
「!」
大好きな声とパシッと私の手首が捕らえられたのはほぼ同時だった。
前に行って見失ってしまったはずの彼が目の前で息を切らして私の手首を掴んでいた。
「よかった、ごめんな。見失っちゃった」
不安が溶かされたように身体中の力が抜けた。
「ううん、私がちゃんと付いて行かなかったから。」
そう言うとあっ君は少し顔を歪ませてそれから私の手首から手のひらに手を乗せ換えて。
指と指の間にあっ君のゴツゴツしたでも細い指が滑り込む。
え、えっと…これは…
「あっ君…?」
これ、とあっ君に言うとあっ君は
私の方を見ずに前を見据えたまま
「こうしたらもう迷子にならないでしょ?」
と手に少し力を入れる。
「う、うん」
前へ進もうにも人が前から流れてくるので全然思うように進めない。
(どうしよう、電話するべきかな)
でもこんな人ごみの中で、騒がしいなかで電話の音に気づくとは思いにくい。
「あっ君、どこ…」
思わず声にでてしまう。
「あっく…「ちい!!!!」
「!」
大好きな声とパシッと私の手首が捕らえられたのはほぼ同時だった。
前に行って見失ってしまったはずの彼が目の前で息を切らして私の手首を掴んでいた。
「よかった、ごめんな。見失っちゃった」
不安が溶かされたように身体中の力が抜けた。
「ううん、私がちゃんと付いて行かなかったから。」
そう言うとあっ君は少し顔を歪ませてそれから私の手首から手のひらに手を乗せ換えて。
指と指の間にあっ君のゴツゴツしたでも細い指が滑り込む。
え、えっと…これは…
「あっ君…?」
これ、とあっ君に言うとあっ君は
私の方を見ずに前を見据えたまま
「こうしたらもう迷子にならないでしょ?」
と手に少し力を入れる。
「う、うん」
