「二人ともウジウジしすぎってこと!」

さえちゃんは呆れ顔で私に訴える。

「もうね、二人の遠回りな恋路はお腹いっぱい!だから、はいこれ!」


かばんからさえちゃんが取り出したのは一枚のチラシ。


紙には

デカデカと書かれた祭りの文字。

夏祭り入ってすぐの祭りのチラシではないか。

「?今年も一緒に行くんだよね?」
毎年さえちゃんと祭りに一緒にいくのが言わずとも約束になっている。


小さい頃はあっ君と二人で行くこともあったが、思春期という子供特有の時期を迎えるころそれは自然となくなった。

「ちっがう!!今年はこれに長瀬を誘いなさい!」

へ?!
「むっ、無理だよ!そりゃ昔は一緒に行ったりしたけど!」

何年行ってないと思うのだ!