ジリジリと肌を痛めつけるような暑さ。

(あぁ、暑い。)

夏の太陽は私を攻撃してるかのような熱を容赦なく放っている。

「ちい!」

隣の家から同じタイミングで出てきた幼なじみのあっ君、長瀬明希に声をかけられた。

あっ君は155㎝の私よりもずっとずっと背が高くて、今日も黒髪がよく似合ってるし、すっと流れるような切れ長の目に見つめられて顔が熱くなりそう。

そんなあっ君と毎朝一緒に登校しているのに、
朝、顔を合わせる
それだけで私の心臓は どくん、と音を立てるのだからせわしない。



「あっ君!おはよう!!」

私は元気よく朝の挨拶をする。


あぁっ!違うのに!今日はもっと、

「おう!おはよ。今日も元気だな、ちいは」

(…もっと、可愛くおはようって言いたかったのに…っ!)

昨日夜な夜な立てた

《あっ君にいつもと違う私を感じさせて脱幼なじみ!大作戦☆》は
どうやら開始コンマ数秒で失敗、終了したらしい。


なんでこうなるのかな〜…

昔からそうだった。