恥ずかしさのあまり廊下に飛び出してしまったが、今更教室に帰れる気はしない。

(まだ、あっ君いるかもしれないし…)

あっ君のそばにいたいはずなのに、羞恥の方が勝ってしまう。

「…なにやってんだろ。」

私はいつも弱い私に勝てない。

ハア、とため息が溢れて廊下の窓に寄りかかる。

窓の外ではベンチでいちゃつくカップルの姿。

(タイミング悪すぎる!)

この傷心中にそんなハードな光景は辛い。

そんな私に、
後ろを通りかかった女の子の集団の話が耳に入る。

「さっきうちのクラスに長瀬くんが来てたんだけど、やっぱりカッコいいよね〜!」
そう話すのはうちのクラスの美人さんTOP3に入る(と勝手に思っている)加藤さんではないか!

なんと!加藤さんもあっ君狙いなの?!
「え!いいなぁ!朝から目の保養じゃん!」
「なになに〜?加藤長瀬くん狙いなの〜?」

…知りたい。

とてつもなく知りたい。