「もー心配したんだから!ほら、行こう?優君、手術室から出てきたんだ♪まだ麻酔が切れてなくて寝てるけど、205号室にいるんだってさ。」



睡眠不足なのか分からないけど、赤く疲れた目をした還梨が優しく言った。


横では、立ち尽くす中ちゃんが、相槌を打ちながら手を差し伸べてくれる。



「…ありがとね?」


「らしくないな!ほら、笑って。煌。」



私が控えめに目を見ると、還梨がぱちんと両頬を押さえた。


その目は、悲しみに沈んだ深い目をしていた。



「…優君が死なないってゆって?」


「……え?」


「煌が…笑ってゆったら、何でも本当になりそうぢゃん…?」



クラスメイトとしてか、それとも実は隠していた恋心か。


私には、どっちとして言っているのか分からないけど、心配してくれている優しい気持ちが伝わってきたから、つい涙が出てきて。


ぐっと堪えてから、私は、精一杯の笑顔で笑った。