もう、止められない。
動きだした時間は……もう止まらない。
しばらく二人で泣いて、
体がだいぶ冷えた頃、うちのお母さんと還梨と中ちゃんが探しにきてくれた。
「もー心配かけさせないでよ!」
「ごめんね…麗ちゃん。」
いつもみたいに冗談の言い合いになると思ったのに、初めて見る素直な幸さんにお母さんは、目を丸くして手を差し出した。
「やだ、さっちゃん!そんな素直になっちゃってらしくない、雹が降るわよ?いつも通りにしてて〜!」
お母さんのことだから、立ち上がらせようと手を伸ばしたんだろうけど、
あんまりびっくりしたのか、その手を鞭のようにしならせて、幸さんの肩を力強く打った。


