私が、そんな立場ぢゃないって、分かってたから。
「ね?……約束してちょうだい。あんたは…煌は…、死なないって。」
膝立ちした私にすがるように幸さんがしがみついた。
私の肩に頭をつけて両肩を両手でしっかり掴んで。
「…もうこれ以上……誰もあたしの側からいなくならないでよ……。」
「…いなくならないよ。煌、ずっと皆の近くにいるよ…。ずっとずっと幸さんや豊ちゃんや稔ちゃんや優や秀や心兄や淘や穹や…みんなといるよ……?」
幸さんの頭を包み込むように抱いて、ぎゅっと腕に力を入れた。
涙が落ちないようにと、上に顔を反らしたけど、ぼろぼろ頬を伝って幸さんの後頭部に落ちた。
「…だからっ、そんな悲しいこと……言わないでよ。」
「ごめ……煌ぁ〜…優だってまだ死んだわけぢゃ…ないのにね…親として…あたしが一番に諦めたら……ダメだよね…?」
私の肩に押しつけられた幸さんの頭がある辺りがどんどん湿っていくのが分かる。


