すると、背中をするすると何かが伝っていく。
振り返ると、幸さんが流した涙が私の背中に吸い込まれるように入っていっていたのだ。
「ごめんね……あたし、煌のこと少し…恨んだんだ。」
「……当然だよ、煌のせ……だもん。」
納まってた涙がまたぽろぽろ零れだして、もうガーゼが一大事とかそんなこと言ってる場合ぢゃなくなりながら、目元を手首の包帯で擦る。
すると、後ろから幸さんが後頭部を殴った。
「…〜このバカ!あんったねぇ、あたしが今どれだけ感謝してるか分かる?!」
「…??分かんない…」
「言ったでしょ?うちの大切な孫守ってもらったって。なのに、男のほうが見てるだけなんて情けないからね。好きな子に格好いいとこ見せて死ねるなら本望でしょ?」
幸さんは、そう言ってくすりと笑った。


