醜いのが辛いんぢゃ、ないんだ。


生命を犠牲にしてまで助けに来てくれたあの二人に、私は、何も返せない。


そんな自分の無力さが何よりも辛くて、苦しいんだ。


泣いちゃ、ダメ……


私なんか、泣ける立場ぢゃない。


泣ける立場ぢゃないのに…



ぐすぐすと鼻を啜りながら洗面台に手をついた。


もう、涙を堪えることが出来なくて、崩れるように膝をついた。



「…ごめん……ごめんね、優ぅ…秀ぅ……。」



独り言のように囁いた言葉がトイレの中にこだまし、消えていった。