なのに、冬のせいと窓がない廊下のせいで冷たくて暗くて重々しい空気だった。 私は、その空気を振り切るように立ち上がった。 「煌…?」 「大丈夫、トイレだから。」 自分でもなんでそう答えたのか、分からない。 でも、心配そうな心兄の顔を見たら、とっさにそう言ってた。 「そっか。」 「…うん。」 心兄は、それ以上深く聞いてこなかった。