商店街の人たちだと思われるおじさんやおばさんを押し退けて、人集りの真ん中へと急いだ。
まるで、トンネルを抜けるように人の壁を掻き分けていくと、光が見えた。
「…たい……がぁ…。」
目の前にあったのは、心兄と優、秀、それから私を見つけて胸に飛び込んできた千歳と大河。
2人を抱き締めて、心兄に近寄った。
「うら…に……たいが…ぶじ…だよ?」
目の脇を熱いものが通って無反応の心兄を揺らした。
「ね……なんか…いって…。」
顔を上げた心兄は、泣いてた。
私を数秒間見つめて、視線を落とした。
私も釣られて視線を落とす。
その先には、横たわる優と秀がいた。


