千歳と一緒になって手を振った、大河の腕から逃げるようにボールが転がった。
ボールは、近くの街灯にあたり車道へと飛んでいく。
心兄も優も、その先を予想できなかった。
だから誰も、反応できなかったんだ。
ボールを追って大河が車道に出ていったんだから。
「大河っっ…!」
私は…、何を考えてたんだろう?
気付いたら、大河を追って車道に出てた。
《助けよう》ってことしか、考えてなかった。
「煌っ…!!」
一番最初に聞こえたのは、秀、それから心兄と優の順番だった気がする。
二つの丸い光りに目を細めながらその声を聞いた気がしたんだ……


