優は、少し複雑そうな顔をしてたけど、笑ってた。
千歳は、眠たそうに目を擦ってるし、大河は、きっとサンタさんから貰ったであろうサッカーボールを胸に抱いていた。
秀を見たら、少し複雑そうだったけど表情は柔らかかった。
「うーん!今そっち行くね!」
道を挟んで向こう側にそう言って、信号が変わるのを待つ。
さっきまで眠たそうだった千歳も復活していて嬉しそうに手を振った。
私が答えるように手を振り返すと、大河も一緒になって手を振ってくれた。
あの時、私さえ手を振らなかったら。
今思い出しても後悔するんだ……
まるで、
スローモーションだった。


