「……帰るか。」
「……うん。」
何で、大通りに出てきたのかなんてことの理由は、聞かない。
何だか、聞いちゃいけない気がしたし、秀にだっていろいろあったんだろうから。
「おーいっ!」
くるりときびすを帰すか帰さないかのうちに、遠くから聞き覚えのある声がした。
「あ……!」
びっくりして声が出た。
まだ、朝の6時前くらいなのに、そこにいたのは心兄と優、それから千歳と大河だったから。
「ちー!たー!どーしたの?」
「朝起きたら、煌がいないって、大泣きだよ!早く帰ってこい!」
心兄の優しい声が自分の居場所を感じる。


