泣いたって何も始まらない。 みんなに、不安を与えるだけ。 「秀。」 ぴくっと、私に反応して、窓の外の世界から目線をこっち向き直す。 「これからは、笑おう?みんなの分、いーっぱいいーっぱい。」 私が笑うと、秀も笑った。 『俺も、笑う。 笑う角には福くるしな!』 書き込まれた字は、私に声となって聞こえてくる。