少し、明日の予定を気にしながら徒歩1分以内の道のりを雪を踏みしめながら歩く。


たいして雪の感触を味わわない内に梅澤家のチャイムを鳴らした。


押してから、そう言えばこのチャイムは古くてもうずっと前から壊れていたのを思い出して玄関の戸を開ける。


うっかりにも程があると思ったし私らしくない。



「こんにちわー、煌ですー。」



今日の自分はどうしたんだろう、と思いながら声をかけた家の奥から、人が出てくるのを待つ。


上がってたって、私なら誰も怒りはしないだろうけど、今日は上がる気分ぢゃなかった。


さっきのチャイムを思い出す。


幸さんは、あのチャイムは古くて壊れたのよ、と言うけれど、実は壊した犯人を私は、知っている。


小さかった、私たちだ。