玄関先で還梨と中ちゃんを送り出して、考えてた。


みんな、支えてくれる人たちがいたから元気になってきているんだな、と思う。


ふと、向かいの家を盗み見ると、秀が2階の窓から手を振っていた。


無邪気に笑って、今にも、窓から飛び出しそうだった。


まさか、と思った矢先に、窓に手をかけ始めた秀にぎょっとした。


焦って閉めかけた扉を開けて少し肌寒い中に出ようとすると、秀の後ろから出てきた稔ちゃんが秀の後頭部を叩いた。


痛そうに顔をしかめる秀に構わずに、私のほうに笑顔を向けてカーテンを閉めた。


少し寂しいような気もしたけど、また明後日会える、と開き直って扉を閉めた。



「煌〜?」


「あ、ごめん!!今行くっ!」



後ろからお母さんの声が聞こえて急いで台所に走った。