「煌ーっ!!」
階段をばたばたと駆け上がる音。
この声の正体はもちろん分かっていた。
「朝っぱらから何騒いでんのよ。……還梨。」
「せっかく元気になったんだから遊びに来たんぢゃーん!中ちゃんもしばらくしたら来るから♪」
ちょうど朝ご飯を食べ終わった頃にどかどかと入ってくる還梨が今日は嬉しい。
いつもが嫌なわけぢゃないけれどたまに欝陶しいと思うことはある。
「あっ、中ちゃーん!」
扉の隙間から見えた中ちゃんに、還梨が家のようにくつろいで座りながら手を勢い良く振った。
なのに、中ちゃんは、なかなか中に入ってこない。
駄洒落とかぢゃなくて。


