お風呂上がりなのと恥ずかしさとで、体が火照る。


手先が冷え始めていたハズなのに左手だけ秀の体温で熱くなる。


くっついてる唇だけが妙に熱い。


だんだん息苦しくなってきて、それが分かったのか秀が唇を離す。


口の端からよだれが滴れそうになって急いで口を閉じると秀が指で拭ってくれた。



『よだれ出してやんのー。
ガキだな!』


「う……うるさい!」



秀の体を押し退けようとして、逆に押し倒された。


ひんやりとした床に背中が当たって、心臓がうるさく鳴っていた。


さらさらの髪の毛が秀の目を隠し怪しげに光る。