久しぶりに聞いた、やんわりとした声。


タオルを棚に置く音がして、洗濯物を取り出す音もする。



「もう出るー…。」



湯ぶねに沈んで、ぶくぶく言いながら返事を返した。


お母さんの、くすりと笑う声がした。



「沈まないでよ?」


「大ー丈夫だってば。もうあがるよ。」



バスタブから、たくさんのお湯を流しながら立ち上がる。


浸かりすぎたせいか、頭がくらくらした。


ふらふらしながら脱衣所への扉を開けると、ひんやりとした風が体に当たる。