なんとなく考えただけなのに、少し笑えた。



「いーよ。」



そう簡単に応えると、ドアの隙間から心兄の顔が見えた。


私は、すばやく机にカレンダーを戻し、ぎこちない心兄を出迎えた。


心兄は、入ってくるなり、きょろきょろしながら、まるで泥棒みたいに抜き足さしあし忍び足、という感じだった。



「お邪魔しま〜す……。」


「人んちぢゃないんだから。そこら辺に座ってもいいし。」



私は、半分くらい心兄でもう半分は、私のさっきので笑いながら言う。


そうやって笑ってる私を見て、緊張してた心兄も心なしか表情が和らいだ気がした。



「…笑えるように、なったな。」