秀が、自分を追い詰めるために行くようで、ちょっと怖い。 机に手を伸ばし、カラーペンと、カレンダーを手にとって日付の青文字が書かれた土曜日にカラーペンを走らせた。 《秀と海》 小さな枠に小さく書かれたその字が妙に愛しかった。 コンコン、とノックの音がした。 突然音がしたのもあって、私の肩がびくりと跳ねる。 「………はい?」 「俺だけど。」 この優しい声……心兄だ。 いつもは滅多に人が来ない私の部屋が今日だけで1年に来るより多い来客数だ、と思った。