現に、最後は私も泣いた。 よく分からないけど、甘塩っぱいキスは、悲しくて、嬉しい味がした。 唇を離し、ほっと息をつく。 半分開いた怪しげな瞳を長い睫毛が隠す、秀の瞳。 吸い込まれそうになるような瞳にきゅんとなった。 私は、このままだと好きすぎて、自分がおかしくなってしまいそうで、目線を逸らした。 『誘ってんの?』 不意に離されて、一瞬、秀が私のことを嫌いになったのかと思った。 ぱっと出すと、秀は、にやりと笑った。 私は、かっと顔が熱くなり、顔を伏せた。