抱き締めたぬくもりが、指の先から腕の端まで、伝わってくる。 秀だ。 秀が……ここにいる。 「秀…………!!」 状況が分からなそうだった秀も、なんとなく理解したのか、私を抱き締めてくれた。 優しく、頭をぽんぽん、と撫でてくれる。 その仕草が懐かしくて。 優しくて、優しすぎて。 私の涙のダムは崩壊した。 嬉しくて、嬉しくて、 忘れてたことが一つ。