それ以上に知り合いにでも会って今の状態を変に詮索されるのが嫌だった。


だから好都合だったんだ。


ここいらは、バスを利用する人が結構いるからバスを避けて正解だったと、納得して独特の青の椅子に体を沈ませた。


流れていく、夕暮れの赤やビルの窓の黄色、ぽつぽつと光る車のライトの青を見つめてた。


田舎田舎、と言っても病院のあるこの辺りの地区は、私の住むところよりは幾分都会だからきらきらと光るあんなビルの窓がちらほら見える。


でも、年末の忙しい時期に二人も失って、一人を失いそうになって、あんな光の中にある平凡がまたいつ、崩れるのか怖くてならなかった。


でも、違うよね。


例え、あんな光の中にあるものが平凡だったとしても全部が全部そんなわけないし、あの中にいる人だってもしかしたら、私と同じかもしれない。


そしたら、みんな同じぢゃない。


私だけが、明日を怖がって、次の1分1秒を進めないのは、おかしいぢゃない。