ブーツが足に食い込む。


きっと、靴擦れしてるんだろう。


でも、痛みなんてどっかに飛んだみたいに感じない。


景色が目の端に飛んでいく。


もう過ぎた、クリスマスの飾りが少しずつ新年への飾りに付け替えられていくのが見えた。


向こう側に白い病院が見えてきて私は、少し安心する半面、なんだか不安だった。


もしも、もしも……


こうやっている間に秀に何かあったら、とか。


不意に頭をよぎる嫌な考えに背筋が寒くなる。


淘のことを思い出して、さっきよりももっと早く足を動かした。


こーやって離れてる間に淘は、私から離れていった。